高橋康子税務会計事務所

2020.3.13 確定申告相談事例 上場株式等の配当等

Q  上場株式の配当等の「等」とは

平成28年以後に支払いを受ける特定公社債等の利子等が、この「等」に含まれます。

Q  上場株式等の配当等の課税関係は?

所得税及び復興特別所得税15.315%、地方税5%で源泉徴収されます。(大口3%超所有株主を除く)
ここで課税関係を終了することを選択できます。従って確定申告しないことを選択できます。
あるいは、確定申告を選択することもできます。確定申告には2つの方法があります。
申告分離課税と総合課税です。
申告分離課税とは、申告するけれども他の所得とは分離して課税所得計算をすることです。

Q  申告分離課税の特徴は?

税率は、所得税及び復興特別所得税15.315%、地方税5%です。
上場株式等の譲渡損との損益通算ができます。配当等は、必ず黒字ですから、源泉徴収されています。
それと上場株式等の譲渡損と損益通算をすれば、配当等に係る源泉徴収税額がその分還付されることになります。
しかし、配当控除の適用はありません。
申告不要から申告分離課税を選択したことで、合計所得金額が増加し扶養控除等の適用や国民健康保険料の額に影響が出ることがあります。

Q  総合課税の特徴は?

利子所得は、総合課税を選べません。配当所得の税率は、累進課税です。
従って、税率の低い納税者が総合課税を選択して、合計所得金額に取込み配当控除を受けることは、有利選択といえます。
しかし、申告不要の選択から合計所得金額に含むことを選択した結果、扶養控除等の適用や国民健康
保険料の額に影響が出る場合があります。

Q  修正申告や更正の請求との関係は?

申告しないことを選択した場合、申告分離課税での申告を選択した場合、総合課税での申告を選択した場合は、その後、修正申告や更正の請求において、当初の選択を変更することはできませんから注意します。

Q  一部の配当だけ総合課税を選択できるのでしょうか?

申告する場合は、申告する上場株式等の配当等に係る配当所得の全てについて、総合課税と申告分離課税のいずれかを選択しなければなりません。