高橋康子税務会計事務所

原価計算について

Yasuko Takahashi tax accounting office
2017.12.01 原価計算について

企業の原価計算が、経営者にとってとても重要だと常々考えています。

利益には、売上総利益、営業利益、経常利益そして税引前当期純利益といくつかあります。
原価計算は、製造業や建設業などにおける売上総利益計算の重要な計算要素です。通常、売上総利益は「粗利」とよばれます。売上高から製造原価を控除したものが、粗利です。たとえば、個別受注製品を製造する製造業では、毎月、その受注品に合わせて材料を仕入れ、従業員の賃金と、工場の機械を投入して製品を作っていきます。場合によっては、一部外注に回すところもあり外注費が発生します。この材料費、賃金、外注費は製品別に紐づけしてコストを集計していきます。製品製造には、これ以外にねじや塗料や電気といった共通に発生する原価もありますから、これらの原価は例えば各製品の売上高で按分計算して紐づけしていきます。この集計計算が、原価計算です。原価計算をするには、建設業なら工事台帳が、製造業なら製品台帳の作成が必要です。もちろん、便利なソフトもありますので、毎月の仕入の請求書の中身を製品番号ごとに区分しながら原価計算ソフトに入力していけば、各受注製品ごとの正確な原価が計算でき原価率を把握することができます。この、計算過程を重視してこそ製造業の正しい粗利が算出できます。
粗利が、その企業にとっての最重要の利益であって、この利益に固定費に近い販売管理費を負担させて、本業のもうけである営業利益が算出されていきます。経営者が、常に原価計算に興味と関心をもっていただけるようその効能を説明しています。原価計算に慣れてきますと、新規の受注契約において、価格交渉に迫力が出てくるようです。割り負けするような受注をしなくなってきます。